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作家の吉本ばななさんが、アマゾン上で自分の名をかたった電子書籍が販売されていたと、X(旧ツイッター)で25日、明らかにした。アマゾン側に対応を求め、26日に削除されたという。
吉本さんは朝日新聞の取材に、「まさかこんな堂々とした形で出されるとは思わなかった」と語った。
販売されていたのは、「世界には時間がない」というタイトル。知人らから25日、「新刊を出版したのか」と問い合わせがあり、覚知したという。Xに「私はこんな本書いてないのでもちろん法的に訴えますが、読者のみなさん間違えて買わないでください。とんでもないことです」と投稿し、注意を呼びかけた。
アマゾン側「削除した」と謝罪
アマゾン側に対応を求めたところ、26日、削除したとの報告と謝罪のメールが届いたという。出品した人や意図はわかっていない。
吉本さんは以前も、自身の著書を長文引用した書評や、別の著者名で二次制作したとみられる電子書籍を見かけたことがある。これまでは黙認していたが、今回は著作権や知的財産権が脅かされることに危機感を覚えた。放置すると著作一覧に並び、読者がだまされる可能性もあったため、対応を求めたという。
アマゾンの電子書籍サービス「キンドル」には、出版社を通さず電子書籍や紙書籍を自費出版できる機能がある。吉本さんは「本当にその作家が書いたのか、同じ名前の著者がいないかなどは、AIなどを使えばすぐに調べられる。フィルタリングをしっかりしてほしい」と訴えた。
アマゾン上では他にも、有名…